[ti:あの夏が飽和する]
[ar:カンザキイオリ]
[al:]
[by:]
[00:00.00]あの夏が飽和する - カンザキイオリ
[00:02.10]词：カンザキイオリ
[00:03.15]曲：カンザキイオリ
[00:04.44]「昨日人を殺したんだ」
[00:07.13]君はそう言っていた
[00:10.03]梅雨時ずぶ濡れのまんま
[00:12.02]部屋の前で泣いていた
[00:15.41]夏が始まったばかりというのに
[00:18.13]君はひどく震えていた
[00:20.39]そんな話で始まる
[00:22.82]あの夏の日の記憶だ
[00:49.64]「殺したのは隣の席の
[00:52.22]いつも虐めてくるアイツ」
[00:54.71]「もう嫌になって
[00:56.34]肩を突き飛ばして」
[00:58.03]「打ち所が悪かったんだ」
[01:00.70]「もうここには居られないと
[01:02.78]思うしどっか遠いとこで
[01:04.75]死んでくるよ」
[01:06.03]そんな君に僕は言った
[01:08.40]「それじゃ僕も連れてって」
[01:11.45]財布を持ってナイフを持って
[01:13.90]携帯ゲームもカバンに詰めて
[01:16.95]いらないものは全部壊していこう
[01:22.07]あの写真もあの日記も
[01:24.65]今となっちゃもういらないさ
[01:27.27]人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ
[01:38.09]そして僕らは逃げ出した
[01:40.49]この狭い狭いこの世界から
[01:43.44]家族もクラスの奴らも何もかも
[01:46.15]全部捨てて君と二人で
[01:48.80]遠い遠い誰もいない場所で
[01:51.45]二人で死のうよ
[01:53.54]もうこの世界に価値などないよ
[01:56.06]人殺しなんて
[01:57.33]そこら中湧いてるじゃんか
[01:59.46]君は何も悪くないよ
[02:02.06]君は何も悪くないよ
[02:20.74]結局僕ら誰にも
[02:22.58]愛されたことなど無かったんだ
[02:25.47]そんな嫌な共通点で
[02:28.10]僕らは簡単に信じあってきた
[02:31.43]君の手を握った時
[02:33.36]微かな震えも既に無くなっていて
[02:36.70]誰にも縛られないで
[02:38.64]二人線路の上を歩いた
[02:42.11]金を盗んで二人で逃げて
[02:44.71]どこにも行ける気がしたんだ
[02:47.34]今更怖いものは
[02:50.34]僕らにはなかったんだ
[02:52.74]額の汗も落ちたメガネも
[02:55.31]「今となっちゃどうでもいいさ」
[02:57.72]「あぶれ者の
[02:59.73]小さな逃避行の旅だ」
[03:08.89]いつか夢見た優しくて
[03:10.96]誰にも好かれる主人公なら
[03:13.97]汚くなった僕たちも見捨てずに
[03:16.81]ちゃんと救ってくれるのかな?
[03:19.42]「そんな夢なら捨てたよ」
[03:21.36]「だって現実を見ろよ?」
[03:23.31]「シアワセの四文字なんて
[03:25.98]なかった今までの人生で
[03:28.35]思い知ったじゃないか」
[03:30.14]「自分は何も悪くねえと
[03:32.70]誰もがきっと思ってる」
[03:51.58]あても無く彷徨う蝉の群れに
[03:54.03]水も無くなり揺れ出す視界に
[03:56.67]迫り狂う鬼たちの怒号に
[03:59.30]バカみたいにはしゃぎあい
[04:01.12]ふと君はナイフをとった
[04:03.33]「君が今までそばにいたから
[04:05.72]ここまでこれたんだ」
[04:07.37]「だからもういいよ」
[04:09.07]「もういいよ」
[04:10.11]「死ぬのは私一人でいいよ」
[04:22.19]そして君は首を切った
[04:24.54]まるで何かの映画のワンシーンだ
[04:27.35]白昼夢を見ている気がした
[04:30.05]気づけば僕は捕まって
[04:32.61]君がどこにも見つからなくって
[04:35.35]君だけがどこにもいなくって
[04:38.16]そして時は過ぎていった
[04:40.39]ただ暑い暑い日が過ぎてった
[04:43.43]家族もクラスの奴らもいるのに
[04:46.11]なぜか君だけはどこにもいない
[04:48.78]あの夏の日を思い出す
[04:51.03]僕は今も今でも歌ってる
[04:53.98]君をずっと探しているんだ
[04:56.58]君に言いたいことがあるんだ
[04:59.41]九月の終わりにくしゃみして
[05:01.70]六月の匂いを繰り返す
[05:04.50]君の笑顔は
[05:05.82]君の無邪気さは
[05:07.16]頭の中を飽和している
[05:10.01]誰も何も悪くないよ
[05:12.62]君は何も悪くはないから
[05:15.39]もういいよ投げ出してしまおう
[05:18.07]そう言って欲しかったのだろう?
[05:20.63]なあ?