Silent Jazz Case 4
次世代を担う若手ジャズミュージシャンが参加するショーケース的な魅力もあるこのシリーズは、今作も強力な布陣で組まれた。グラスパーらと同じく名門New Schoolでジャズを学び、SAPPORO CITY JAZZ 2015でグランプリを獲得した世界で活躍するピアノ界のニュースター河野祐亮や、2.5次元ミュージカル信長の野望~炎舞~や風雲新撰組の劇伴など様々な現場での演奏経験、横浜アリーナの出演歴を持ち年間100本以上の演奏をこなす要注目のベーシスト杉浦睦、幼少期にアメリカ・デトロイトで暮らし米国の文化を色濃く感じる強力なビートとテクニックで国内外のジャズ/R&B界のトップミュージシャンと共演を果たすマルチ・プレイヤー大津惇が参加。Playwrightからリリースされた「Prayer」(PWT-58)で記憶に新しい日本のジャジー/メロウ・ヒップホップを代表するre:plusと島のコラボは今回も収められている―(7) Walk in a back alleyは強力なメロディー&ビートメイカーのタッグが生んだ雄大で美しい世界が温かいサウンドで描かれた名曲。リードトラックの(3)Japan Beautyは管とピアノの甘美な音色が、日本の情景美を表現した芸術的な1曲。また、75年ボビー・ハッチャーソンがラテン系サウンドと親和した名盤の表題になるメロウ・ジャズ曲(11)「Montara」をカヴァー、島が自奏するトランペット・フルート・フリューゲルホルン・トロンボーンのアンサンブルによる柔軟な音の広がりと浮遊感に、楽器の魅力が存分に映し出された。ジャズ・ヒップホップ・R&B・アンビエントを通過したクールなサウンドに侘び寂びのメロディを忍ばせ纏め上げる、島のサウンドデザイン力が遺憾なく発揮された今作、リスナーをまだ見ぬ世界へ誘うように、様々な街並みや美しい情景を想像させる渾身の1枚!