東京とLAでレコーディングされた通算29作目のアルバムがついに完成。時に優しく時に激しく、聴き手を包み込むように歌いかける11編の物語で、{夜会VOL.11}で歌われた2曲も収録。 ここ最近、NHKの『プロジェクトX』のエンディングで、「地上の星/ヘッドライト・テールライト」が流れてくると、涙腺が思わずゆるむというサラリーマンの声をよく聞く。 この歌はロングセラーを続けている。中島は70、80、90年代でチャート・トップを飾ったミュージシャンだ。最新作では“夜会Vol.11~ウィンター・ガーデン”で歌われた、「ツンドラ・バード」「六花」を含む11曲を収録している。「相席」が気に入った。歌詞の中に情景と情念が幾重にも積み重なって、中島の真骨頂ともいえる世界が描かれている。11編の物語が悲喜交々に訴える。時に切なく、時に慟哭的に、“中島節”で綴られていく。レコーディングは、ここ10年来、東京とロサンゼルスで行なわれている。しかし、そのことはあまり気にならない。レコーディング云々を跳び越え、中島みゆきは常に中島みゆきで、恐らくどこでレコーディングしても彼女の音楽に変わりはないからだ(田口トモロヲ風)。 (小林泰介) --- 2001年10月号 シングル『地上の星／ヘッドライト・テールライト』が記録的なロングセラーを続けるなか発売された通算29作目のオリジルアルバム。レコーディングはロサンゼルスと東京。ミキシングはロサンゼルスでジョー・チカレリ、デヴィッド・ソナー、ロヴ・ジェイコブら一流のエンジニアの手により仕上げられた。歌声、曲調ともに前作『短編集』に比べバラエティに富んだ内容になっている。６と８は、「夜会VOL.11 ウィンター・ガーデン」のオリジナル曲。